FROM SAITO CITY MIYAZAKI

西都市で新しいことをはじめるためのヒントが、ここで見つかる!

のびのびと夢を叶える麴づくりPROJECT

のびのびとした場所で、新しい物語を始める。
地域のつながりを生む「発酵食堂 SUN」

発酵食堂 児島純代さん

6 Thu. February, 2025 KEYWORD
  • 起業・小商い
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児島 純代さん

発酵食堂店主 西都歴1年

こだわりの麴づくりと田舎暮らしを求め、大阪から西都へ移住。「発酵食堂」を立ち上げ、地域の人とともに親子で街を盛り上げている。定番から珍しい味付けまで、さまざまな麹が揃えられており絶品。

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6 Thu. February, 2025

 西都市の南西にある、のどかな風景が広がる三財地区。民家を改装したという店内に靴を脱いであがると、すぐにダイニングルームと、奥には広々とした二間続きの和室が。親戚が一同に介するお正月を思い起こすような、どこか懐かしい空間に心がほぐれます。ここは、2024年3月にオープンした「発酵食堂 SUN」。児島純代さんの作る、身体にやさしい自然派の発酵料理を求めて、県外からも多くの方が足を運んでいます。

 ランチメニューの定番は、メインの一品に加えて好きな惣菜が選べる「惣菜3種ランチ」(1500円。2種は1300円、1種は1100円)。国産で無添加の食材が自家製の麹調味料によって、見た目にも豊かな定食へと仕立て上げられます。使用するのは、塩麹、甘麹、醤油麹といったポピュラーなものに加えて、出汁醤油麹やキムチ麹、はたまたカレー麹といった珍しいものまで含めて、約10種類。イタリアントマト麹で作るラタトゥイユなど、そのラインナップは和食に限りません。一方サイドメニューに目を向けると、その季節の果物を使用し数ヶ月かけて作る「ミネラル発酵ドリンク」(600円)や、非加熱で作られるローチョコレート(西都市にある「Twinkle Twinkle」で製造・販売)など、カフェとしても利用できるラインナップが脇を固めています。

いつかは麹を使った料理屋を

 児島さんと麹との出会いは約10年前、大阪で働いていたときのことでした。化学調味料の代わりとして塩麹を使ってみたところ、その複雑で奥行きのある味わいに感動。 作り方を調べると、意外と難しそうじゃない。それなら、とすぐに自分で作ってみたと言います。以来、麹とは「それだけで味がバッチリ決まる、便利でカラダに良いもの」。もし料理屋さんを開くのなら、麹ありき、発酵ありき。そうイメージはしていたものの、大阪にはライバルも多く、初期費用もそれなりにかかってしまう。そもそも、なるべく自然な食事を摂りたい児島さんにとって、都会に住む恩恵はあまり多くありませんでした。

 「家庭菜園とかはしていたのですが、ほしい食材はネット通販で買うことが多くて。コンビニなんて絶対行かないし……都会は合わないなって感じでしたね。ずっと料理屋さんはやってみたかったので、いつかは自然豊かな場所でできたらなぁ、と思っていました」。

移住を決定づけた娘さんの言葉

 「自然が豊かな」といっても、寒いよりは暖かい方がいい。そして、できれば友達がいた方が寂しくない。そんなふるいをかけて残ったわずかな候補のひとつが、西都市の三財地区でした。移住のアドバイスも兼ねて友達を訪ねてみると、これぞ児島さんが描いていた「田舎」のイメージにぴったり。山も川もあって、海も遠くない。おまけに食材にも恵まれている。「なんだ、全部ある!って」。でも、移住の一番の決め手となったのは、ほかでもない娘の一言だったと言います。

 「その友達にも子どもがいて、うちの娘とびっくりするくらい仲良くなったんですね。もう帰りたくない! って言い出すくらい。娘が小学校にあがるタイミングまでが移住の期日として決めていたんですけど、聞いたら “三財小学校がいい!”って。ちょっと運命的ですよね。移住は子どもにも大きく関係してくるので、それが一番の後押しになったかな」。

お店を通じてまちに馴染んでいく

 飲食店が少ない三財地区にやってきた移住者の、新規開業。しかも「発酵食堂」ができたとなると情報が広まるのは早いもの。お店がオープンするやいなや、メディアの紹介も相まって客足は伸び、ひとつ、またひとつとつながりが生まれていきました。だから児島さんの知り合いのベースにあるのは、お客さんや仕入先の方たち。お店起点で広がる輪のなかで、自然と「三財地区を盛り上げたい」という気持ちも芽生えたと話します。

 「おいしいと言ってくれること。そしてそう言ってくれた方がまた来てくれることが力になります。移住してまだそんなに時間は経ってないですけど、三財が大好き。みんながゆっくりできるようなお店になっていったらいいですね」。

三財地区のつながりを生むお店に

 開業以降は忙しい毎日が続いていますが、時間ができると娘と一緒にフラワーアレンジメントをしたり、麹のワークショップを企画したりと、やりたいことは尽きない様子の児島さん。現在は同じ三財地区にある「しのはら製茶」の茶葉を使った麹を用いて、新作スイーツの開発に取り組んでいます。ほうじ茶の香りとスイーツらしい甘みのある麹だということで、「完成したら三財地区の素材でできた「三財シフォン」として売り出したい」と話してくれました。

 「移住してよかったなって思います。広い場所で、のびのびとゆったり過ごすのが夢だったので。ゆくゆくは、ここで出会ってきた人たちと一緒に、マルシェのようなことをやりたいですね。まずは裏庭の手入れをしないとですけど(笑)」。


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