数多の都市のなかから、西都市を移住先に選んだ理由。取材を重ねるうちによく聞かれると感じるようになったひとつに「自然と便利さの両立」が挙げられます。今回お話を伺う垣内隆志さんも、その“バランスの良さ”に惹かれて、西都市への移住を決めたひとりです。
都内の某IT企業で、カスタマーサポートを支援するサービスの立ち上げやコンサルタントとして従事し、現在はコールセンター向けの海外システムの輸入・販売を行う会社で執行役員を務める垣内さん。毎日は忙しく充実こそしていたものの、移住するまでは「いろんなプレッシャーがあるなかで、なかなかゆったり暮らすことはできなかった」と振り返ります。
「仕事もキャリアを積んでくると、プレッシャーの質が変わってくるじゃないですか。とくに現職に就いてからは事業の売上の責任者になったこともあって、なおさら。都内に住んでいたときの癒しは旅行だったんですけど、今後の自分のケアのためにも、自然豊かな場所に移れたら話が早いなって」
リモートワークが後押しした移住の夢
「移住」の二文字が現実味を帯びはじめた頃に候補に上がったうちのひとつが北海道。だけど、いろんな面で少しハードルが高い。そう悩んでいるところに、出会いが突然やってきます。
「ふと『宮崎でも観光に行ってみようか』って思って、高千穂などをいくつかまわりました。行ってみると、ご飯は美味しいし、海も近いし天候もいいしで、予想以上に良いところだった。じゃあ宮崎で移住先を探してみようと、物件の多い宮崎市内や新富町、綾町や鹿児島県寄りに位置する都城市など、たくさん内見しに行きましたね」
そのうちに見えてきた基準のひとつが、「自然が豊かで、不便すぎない場所」。そしてもうひとつが「インターネットが快適に使える場所」でした。安定したネット回線は、リモートワークがベースとなった垣内さんにとっては生命線のようなもの。「生活のしやすさと落ち着いた環境、どちらも欲しい」と比較を続けるうち、総合的なバランスを考えると西都市がベスト、という結論に至ったのだそうです。奇しくもコロナ禍で一気に広まったリモートワークが、10年以上前から胸の内で温めてきた夢を後押しする形となり、2021年7月に念願の移住を果たしました。
「たまたま、僕の好きな都萬神社の近くに物件が見つかったのも大きかったですね。車があれば家から5分ほどで買い物に行けて、お店の選択肢もたくさんあります」
パソコン仕事が多い人が安らぎを得やすい場所
川と神社が好き、という垣内さん。移住後は、近所の都萬神社はもちろん、10月下旬にコスモスが一面に咲き乱れる西都原古墳群もお気に入りの散歩コースのひとつになりました。休日には車で30分ほどの距離にある西米良村まで足を伸ばして川の近くを歩き、帰りに温泉に立ち寄って気持ちを整えることも。そうやって、身近にある自然を楽しみながらリフレッシュしているそうです。
「西都市は環境を整備しつつも、自然に対して過剰に手を入れないところが良いですね。古墳をはじめ、国や行政がしっかり手入れや管理をして守っていこうという姿勢を感じるんです。実際に散歩すると分かっていただけると思いますが、土地の雰囲気やエネルギーがすごく良い。僕のように普段パソコンに向かってインターネットを使った仕事をしている人にとっては、ちょっと外に出るだけで安らぎを得やすい場所じゃないかなと思います」
基本的にはリモートワークで出社はしないものの、県外のお客さまへ訪問する機会もある。そんなときに重宝するのが、西都市の立地です。宮崎空港から西都市へは、高速を使って約40分。山、海、川、そして空港や宮崎市のような歓楽街からもちょうど良い距離にあることが気に入っていると教えてくれました。
「ワークライフバランス」という言葉が多く聞かれるようになり、働き方だけでなく、何を大切に生きるかも考える機会が増えている昨今。垣内さんのように、都内の企業に勤めながらも他県に住む、というリモートワーカーも増えているといいます。「僕のように『ちょっと田舎に住みたいけど、山に住みたいわけじゃなくて、ある程度は便利な場所がいい』っていう人はおすすめですね」
おすすめスポット
西都原古墳群。こんな広大な古墳群はなかなかないですし、散歩コースとしても最高です。