FROM SAITO CITY MIYAZAKI

西都市で新しいことをはじめるためのヒントが、ここで見つかる!

自然を旅するバンライフPROJECT

バンで日本中を放浪するYouTuberが魅せられた、銀鏡(しろみ)地区の暮らし。

サーファー・YouTuber 須賀正子さん/タマさん

4 Wed. September, 2024 KEYWORD
  • 起業・小商い
  • リモートワーク
  • あそび・趣味
須賀正子さん / タマさん

サーファー・YouTuber 西都歴1年

湘南で出会い、今ではキャンピングカーでバンライフを満喫するサーファーカップル。2023年に銀鏡に移住し拠点として暮らしている。多くの登録者数を抱えるYouTuberとしても活動しており、サーフスポットや地域の魅力を発信中。

  • 起業・小商い
  • リモートワーク
  • あそび・趣味
4 Wed. September, 2024

 アメリカ製のバンをキャンピングカー仕様に改装し、猫と一緒に日本のサーフスポットを巡る旅を続けてきた須賀正子さんと、パートナーのタマさん。二人はバンライフの傍ら、2023年より銀鏡地区の古民家をDIYして生活拠点としています。古民家での生活やサーフスポットを訪れる様子を発信するYouTubeチャンネル「Shoko&Tama」のチャンネル登録者数は3万人弱(2024年8月時点)。こうした経験を活かし、現在はゆずの生産、加工、販売で知られる「かぐらの里」のYouTubeチャンネルも監修しながら、海と山を楽しむ西都ライフを満喫中です。

 国の重要無形民俗文化財指定の「銀鏡神楽」でも知られる銀鏡があるのは、西都市の中でも北端に近い山間部。須賀さんの住む古民家は西都市中心部から車で約1時間ほどで、移住当初は家にインターネットも通っていなかったと言います。

 「二人とも海が好きなので、海の近くに住んでしまうときっと山に行きたい気持ちがなくなるなと。海にはどうせ行くだろうから、山に住めば両方の生活を楽しめるということでここを選びました」(須賀さん)

旅の途中、銀鏡との偶然の出会い

 大阪出身で、宮崎で働いていた頃にサーフィンに魅了されて湘南のシェアハウスへと移った須賀さんと、アメ車趣味が高じてバイクの整備士として働きながら、車のイベントが盛んな横浜に住んでいたタマさん。2人は湘南のサーフィンスクールで出会い、意気投合。2021年、1966年製の「Ford Econoline 1966」と共に旅を始めた2人は、1年半かけて湘南から茨城、北海道を経て南下を続け、宮崎までたどり着きました。

 「タマちゃんは古いものが好きで、こだわりも強い。こう見えて結構保守的なんです。私は旅行も好きだし、好奇心旺盛なタイプで。彼がFordを買うってなった時に、『どうせならバンを住めるようにして、日本一周に行きたい!』って言い出したのも私。当時、職場の人間関係が嫌だったこともあって、旅をしながらリモートでできる収入源を確保できたら良いんじゃないか、と言うのでYouTubeを始めました」(須賀さん)

 コロナ禍の当時はYouTubeの視聴者が増加傾向にあり、2人のチャンネル登録者数も順調に推移。現在よりも厳しいYouTubeの収益化基準をクリアし、バンでサーフスポットをめぐる日本一周生活が実現しました。しかし、旧車での長旅ということもあり、道中では故障すること7回。修理費用がかさみ旅の続行が危ぶまれる中、二人の救世主となったのが毎年収穫時期に「かぐらの里」が募集する「ゆずとりサポーター」でした。SNSでたまたま募集を見かけた二人は、一も二もなく銀鏡へと向かったそうです。

 「旅の途中、僕たちのようにバンで生活している20代の人から、短期で現地の農家さんの手伝いをして日本中を転々としている、という話を聞いたんです。すごく面白そうで、僕らもすぐに別の場所に動けるような仕事をしたいと思って、ゆずとりサポーターに応募しました」(タマさん)

住民から伝わってきた銀鏡への愛

 当初、銀鏡には2〜3ヵ月ほどの滞在と考えていた2人。一方で、旅をしながら移住先も探していて、「かぐらの里」の社長に相談すると「DIY可能な古民家、屋根付きのガレージ、家賃1万円以内」という、2人が考える条件にピッタリの今の家が見つかりました。ただし、移住を決めたきっかけは、何よりも地域の人の魅力が大きかったと言います。

 「日本を周る中で、地元の人に『良い場所ですね。住みたいです』って言うと、ほとんどの人に『でも住むと色々あるからね』って言われて、意気消沈してばかりでした。でも、ゆずとりサポーターで一緒になった銀鏡の人に同じことを言うと、みんな『ここ、良いでしょう』って言うんです。この土地を好きな思いが伝わってきたし、本当に住むのに良い場所なんだって思いました」(タマさん)

 古民家を借りる以前はバンの故障で寝床がなくなり、社長の別宅やお風呂などを借りることも。社長に限らず、銀鏡には何かあったら自分たちを頼ればいいと言ってくれる人々がたくさんいて、共助の精神が根付いているそうです。「山菜やヤマメに鮎といった川魚を採って賄える部分を自給自足したり、人に分け与える文化も」と須賀さん。とくに印象的だったのは、知り合いの猟師が狩猟した猪や鹿をいただき、教えてもらいながら捌いたことだったと話します。

 「銀鏡に住みたいと思った理由のひとつとして、猟師さんから猪肉の焼き肉を勧められて、その人から猪肉をもらって自分たちで焼いて食べてみたら、美味しすぎてめちゃくちゃテンションが上がったんです。この肉を食べられるんだったら、ここに住みたいねって(笑)」(須賀さん)

魅力発信をサポートし、地域に貢献したい

 偶然が重なって巡り合った、自分たちの趣味やライフスタイルにぴったりと合う銀鏡地区との出会い。地域の文化にすっかり魅了されたお二人は、今後もYouTubeでの発信で培ったノウハウをもとに、銀鏡神楽や地域の魅力発信をより精力的に行っていく予定だと話してくれました。

 「将来的には私たちが住んでいる古民家も宿やシェアハウスにできたらと思ってるんです。YouTubeで銀鏡神楽や銀鏡について発信することで、宮崎市内や他の県から移住してくれる人を少しでも増やせたらなって。自分たちのやれることを通じて、この地域に貢献していけたら良いですね」(須賀さん)